食物アレルギー(魚介類)

魚介類を食べると蕁麻疹が出たり、気分が悪くなったり、アナフィラキシーなどの強いアレルギー症状が出る場合は、魚介類のアレルギーを持っている可能性があります。ただし、実は、魚介類を食べてアレルギー症状が出る=魚介類アレルギーとは言えません。魚介類を食べた後にアレルギー症状が出る場合、大きく3つに分けて考える必要があります

ニセ魚介類アレルギーその① アレルギー様食中毒

鮮度の落ちた魚を食べて、魚肉に含まれるヒスタミンという物質によっておこるアレルギー様症状です。青魚や赤身の魚(サバ・サンマ・イワシ・カツオ・マグロなど)でよく起こります。加熱調理していても同じです。アレルギーではなくて、鮮度の悪い魚を食べると誰にでも起こりうる症状ですので、鮮度の落ちた魚は食べないようにしておきましょう。

ニセ魚介類アレルギーその② アニサキスアレルギー

魚介類の内臓に寄生するアニサキスという寄生虫にアレルギーを持つ人がアニサキスの付着した魚介類を食べることでおこるアレルギーです。アニサキスは、食べると腹痛・嘔吐・下痢などになる消化管アニサキス症という症状を起こすことがありますが、きちんと加熱調理した魚介類であればこの病気は発症しません。それとは異なり、アニサキスアレルギーの場合は、加熱調理していてもアニサキスアレルゲンが付着している魚介類を食べるとアレルギーになってしまいます

ホントの魚介類アレルギー

魚介類を食べることでアレルギー症状を起こす、ホンモノの魚介類アレルギーです。ニセ魚介類アレルギーと症状は全く変わらないのですが、鮮度が良くても、アニサキスが寄生していなくても食べると症状が出てきます。3割程度の人で甲殻類(エビ・カニなど)アレルギーも合併しています。

診断について

同じ症状で発症するので、医療機関で検査して鑑別することが必要です。ただし、どんな魚をどういう調理方法で食べたかとか、症状が繰り返し起こっているのか一度だけなのかなどでもある程度判断することが可能です。魚介類アレルギーかな?と思ったら是非記録をつけてから医療機関を受診するようにしてください。

おまけ:甲殻類アレルギー

エビやカニを食べるとアレルギー症状が出てくるアレルギーを甲殻類アレルギーと呼びます。甲殻類アレルギーがある場合、イカ・タコ・貝類(アワビ・サザエ・ホタテ・ハマグリ・カキなど)でも症状を起こすことがあるので注意しておきましょう。

上部へスクロール