何もいつもと変わらないのに顔が、とくにまぶたや口の周りがピリピリ痛痒い」という方がこの時期は多く来られます。実はこの時期にこういう方が増えるのには理由があるのです。どういう仕組で起こっているのでしょう。

まず、皮膚バリアの仕組みですが、簡単に言うと水分と皮脂が組み合わさって隙間のない壁を作っています。隙間がほとんど無いので、通常は外から塗ったり触ったりしたものは皮膚の中に入れないので、メイクや汗なども皮膚のバリアに跳ね返されています。

ところが秋になると、急激に気温が低下します。気温が低下すると空気が乾燥していきます。空気が乾燥すると皮膚から水分がどんどん蒸発していき、皮脂も減っていきます。すると、壁を作っている水分や皮脂が抜けていくので皮膚バリアに隙間ができます。隙間ができると「今まで(バリアに跳ね返されて入れなかったので)塗ってもなんの刺激にもならなかったものが(皮膚の中まで入ってきて)ピリピリ痛痒い」ということになるわけです。

つまり「いつも大丈夫なもので痛痒くなる」わけですから、まずやらないといけないのは「(事情が許す限り)外から塗ったり触ったりするものを減らす」事です。いつも大丈夫なメイク・クレンジング・目薬・リップクリーム・口紅・アクセサリーなどなどをなるべく減らし、顔にかかる前髪を上げたり、コンタクトレンズをメガネにしたりなどなど…。とくに女性はメイクを減らすのは難しいとは思いますが、可能な限り減らすことで悪くなるのを避けられる可能性が高くなります。

次にしないといけないのは徹底的に保湿することです。化粧水・乳液・クリームなどをたっぷり塗りましょう。それだけでダメなら化粧水は水で薄めて、ティッシュペーパーなどに染み込ませて15分程度顔に貼り付けて「簡易パック」をしてみてもいいかもしれません。

ただし、皮膚のバリアがあまりにもひどく壊れてしまった場合には、逆に化粧水や乳液でさえ刺激になってピリピリしてしまうことがあります。そこまで皮膚の状態が悪くなった場合には自力でなんとかしようとするとかえってこじらせてしまうことが多いですので皮膚科を受診するようにした方がいいでしょう。