夏は肌が露出しやすくなるので、ミズイボが増える季節です。ミズイボはウイルスによっておきる病気なので、皮膚と皮膚の直接の接触でうつるだけではなく、お風呂の洗面器やプールでのビート板など、多くの人が共用する道具などを介してもうつることがあります。

ミズイボの治療については、こちらのページでも詳しく書いていますので、それを参考にしていただきたいのですが、今回は外来中に最近気づいたミズイボについての間違った都市伝説(?)についてのトピックです。

ここ最近ミズイボで来院される子供さんで妙なオレンジ色っぽい色がミズイボについている子が立て続けに数人来院されました。最初は気に留めてなかったのですが、何人か続いたので、親御さんに「この色、なんです?」と聞いた所「イソジンを塗ると治ると聞いて塗ってたんだけど治らなくて…」というお返事。その場で患者さんと一緒に調べてみるとよくあるQ&Aサイトに「イソジンでミズイボ治るよ♪」と書いてある…。

イソジンはベストセラーの消毒薬。イソジンガーグルといううがい薬もありますね。消毒薬としては大変優れており、ある種のウイルスなどにもそれなりに効果を発揮します。「ミズイボはウイルスの病気だからイソジンで治るはず」と思うのも無理ないのですが、ミズイボウイルスは皮膚の内側に入り込んで増殖しているので皮膚の表面にイソジンを塗ってもウイルスには届かないのです。ガラスの向こう側のゴキブリに殺虫剤を噴霧している様なもので、直接当たれば効くかも?だけど、直接当たらなければ効果ないわけです。

特に害がなければイソジンを塗ってもらってもいいのですが、問題はイソジンに皮膚の細胞を傷つける作用もある事。ミズイボは痒いので子供が引っ掻いてまわりに傷ができていることが多く、その傷にイソジンがしみて余計痒くて引っ掻いて…とどんどん湿疹が悪くなってミズイボが増えたり、最悪トビヒを誘発してしまうリスクも有りますので、どちらかというと塗ることで悪くなる可能性のほうが高いと考えられます。

ミズイボは小さいものなら自然消退することもありますので、イソジンを塗った後に自然消退した例があるのかもしれませんが、当院に来られた患者さんのようにイソジンを塗っても治らない人もたくさんいるわけです。イソジンは「塗ってたまたま治った人もいたのかな」とは思うのですが、皮膚と薬の仕組みから考えると、どちらかというとやめた方がいいと思われます。ご注意ください。