花粉症の減感作療法=アレルゲン免疫療法

シダトレンというスギ花粉症の減感作療法(アレルゲン免疫療法)の薬が2014年10月から保険適応が認められました。減感作療法(アレルゲン免疫療法)は少しずつアレルギー物質を体に取り込むことでアレルギーそのものを治していくという大変画期的な治療薬ですが、かなり使用が難しい薬でもあります。まず最重要ポイントをチェックしておきましょう。

完全に治るとは限らない

スギ花粉のアレルギーがある人では、全員に治療効果は出ますが、使用することで薬がほとんど不要になる方から、症状が以前より楽になるだけの方まで治療効果に大きな幅があることが予想されます。

治療期間は数年間

治療効果が出るまでには少なくとも2~3年かかり、治療期間は理想的には5年以上です。減感作療法は少しずつアレルゲンを体に取り込むことで体をアレルゲンに慣らしていく治療法なので長期間続けるほど効果が出る仕組になっています。治療効果が得られた時点で一旦治療を終了しますが、何年か無治療で経過したら治療効果が減弱してくる場合は減感作療法を数年ごとに繰り返すのが理想的です。

スギ花粉症シーズンには治療が始められない

スギ花粉の飛散時期には治療を開始できません。12月中旬~春の花粉症シーズン終了までは治療が開始できません。

治療を受けられない方もいる

花粉症の原因がスギ花粉であることが検査で確認されていない方・重度気管支喘息の方・癌や免疫異常がある方は治療を受けられません。また、治療中に副作用が出やすいので治療を避けた方がいいのは高齢者の方・妊娠、授乳中の方・口の中に傷があったり歯科治療中の方・重度の心疾患や肺疾患、高血圧がある方、非選択的β阻害剤で高血圧や不整脈治療をしている方や三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤などのうつ病の薬を内服中の方などです。

薬の費用や通院頻度

薬剤費は1000円/月程度です。治療を始める最初の1か月は2週間毎の通院が必要ですが、それ以降は通院頻度はそんなに多くありません。

それ以外の情報

上記の最重要ポイントをクリアできる人は受診して更に詳しい説明を受けてみましょう。また、アレルゲン免疫療法の予備知識としてこちらでより詳しい情報を得ることができますので参考にしてみてください。花粉症全般についてはこちらを御覧ください。

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