ワキ汗やニオイ・手汗の悩み|服部皮膚科アレルギー科|岡山市北区清心町の皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科 ワキ汗やニオイ・手汗の悩み|服部皮膚科アレルギー科|岡山市北区清心町の皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科

Sweat ワキ汗やニオイ・手汗の悩み

局所多汗症とは?

人間の汗は、主にエクリン汗腺という汗を出す組織から出てきます。このエクリン汗腺から必要以上の汗が分泌されることで、日常生活に支障をきたす状態を「多汗症」と呼びます。その中で、特に原因がないのにわきの下、手のひら、足の裏、顔面などの限られた部位に大量の汗が出る状態を「特発性多汗症」と呼びます。主に精神的なストレスや緊張で症状が悪化しやすいのが特徴です。現在日本ではワキと手の特発性限局性多汗症に保険適応の治療が認められています。

腋臭症(ワキガ)と腋窩多汗症の違いは?

腋臭症(ワキガ)とは?

ワキから強い刺激臭がする状態「腋臭症」は一般的に「ワキガ」と呼ばれています。腋臭症はアポクリン汗腺から出る汗に含まれる脂肪酸やタンパク質が皮膚の細菌と反応することで特有の刺激的な臭いが生じます。アポクリン汗腺はワキや陰部、耳の穴などに集中的に分布していてそれ以外にはありません。皮脂分泌が増える思春期頃から発症します。

腋窩多汗症とは?

腋窩多汗症とはエクリン汗腺から出る汗が通常よりもとても多くて生活に支障が出る状態です。エクリン汗腺から出る汗はそのほとんどが水なので皮膚の細菌と反応しても少し酸っぱいニオイがするだけで刺激臭はありません。すべての人で汗をかいた後に洗い流さずに時間が経過すると軽い「汗臭さ」がありますが、腋臭症の刺激臭とは全く異なります。発症率は20~39歳の若年層で特に高く、発症ピークは20代に見られます。

手汗(手掌多汗症)とは?

手のひらのエクリン汗腺から大量の汗が出ている状態です。手のひらが湿る程度から、汗が滴り落ちるほどの重度までさまざまです。幼少期や思春期に始まることが多く、平均発症年齢は約13.8歳とされています。症状が激しいと紙が濡れて文字が書きにくい、握手を避ける、電子機器の操作に支障が出るなどの問題が生じます。

診断方法は?

腋臭症(ワキガ)は特異な刺激臭があるため、経験のある専門医では診察と問診で診断がつきます。

原発性多汗症の診断は問診を基にしてHDSSスコア(重症度を測る点数)をつけるとともに、下記のような基準で診断します。


25歳以下で発症


左右対称の発汗

睡眠中は発汗が止まる

週に少なくとも1回は多汗で困る

■家族に同様の症状が見られる

■日常生活に支障がある

塗り薬の治療法

■エクロックゲル(ワキ汗)

保険適応の塗り薬です。グリコピロニウムを含有し、汗腺の活動を抑えることでワキ汗を抑制します。13歳以上で使えます。通常、1日1回、脇に塗布し、24時間にわたり効果が続きます。副作用には、かぶれや発疹、口の渇き、目のかすみなどが報告されています。使用法など詳しくはコチラの外部サイトを参照して下さい。

■ラピフォートワイプ(ワキ汗)

保険適応の塗り薬で、グリコピロニウムトシル酸塩を含みます。9歳以降で使えます。皮膚に直接拭き取るワイプタイプで、就寝前に脇に塗布することで発汗を抑えます。副作用には、皮膚の乾燥やかゆみ、接触性皮膚炎が挙げられます。皮膚に直接使用するため、刺激がある場合は医師に相談してください。より詳しい使い方はコチラの外部サイトを参照して下さい。

■アポハイドローション(手汗)

手のひらの多汗症(原発性手掌多汗症)の保険適応の塗り薬です。有効成分のオキシブチニン塩酸塩が発汗を抑制します。1日1回、就寝前に手のひら全体に適量(目安としてポンプ5回押し分)を塗布し、翌朝起床後に手を流水で洗い流します。塗布後は手が濡れないよう注意し、目など他の部位に触れないようにしてください。副作用として、塗布部位の皮膚炎やかゆみ、口の渇きなどが報告されています。12歳以降で使えます。

■塩化アルミニウム(手汗・ワキ汗)

外用薬の中でも古くから使われており、汗腺の出口に栓をするような作用で汗の分泌を物理的にブロックします。夜間に脇に塗布し、翌朝に洗い流す使用方法が一般的です。副作用はかゆみや赤みなどの皮膚刺激症状であり、皮膚が敏感な方には注意が必要です。保険適応ではありませんが非常に安価です。当院では100mlを410円で購入してもらっています。

内服薬の治療法

■プロ・バンサイン(汗全般)

抗コリン薬の一種で、日本で唯一保険適用が認められています。発汗を全身的に抑える効果がありますが、口の渇き、便秘、尿閉などの副作用に注意が必要です。通常、1回15~30mgを1日2~3回服用します。外用薬など局所治療で効果が得られない場合にのみ投与を検討します。

注射の治療法

■ボツリヌストキシン注射(ワキ汗治療)

ボツリヌストキシンは、神経から筋肉や汗腺への信号を一時的にブロックする薬剤です。ワキ汗治療では、この成分をワキに注射することで汗腺の活動を抑え、汗の分泌を減らします。効果は個人差がありますが、約3〜6か月持続します。ただし、妊娠中や特定の疾患がある方には使用できない場合があるため、事前に医師の相談が必要です。保険適応の治療ですが当院では行っていません。

機械や手術の治療法

■イオントフォレーシス(手足の汗)

水に手や足を浸しながら微弱な電流を流すことで、汗腺の働きを一時的に抑える治療です。痛みはほとんどなく、1回20〜30分を週に数回行うことで、汗の量を減らせます。副作用は少ないですが、肌の乾燥や軽い刺激感が出る場合があります。保険適応ですが一部の医療機関でしか行っていません。当院では行っていません。

■マイクロ波(ワキ汗)

マイクロ波という皮膚の中で熱を発する特殊な波長の電磁波で汗腺を焼いて凝固させて汗を少なくする治療法です。保険適応はありません。施設によって費用や効果が異なります。当院では行っていません。

■胸部交感神経切断術(ワキ汗・手汗)

ETS(内視鏡下胸部交感神経切断術)は、汗を出す指令を送る交感神経を切断することで発汗を抑えます。しかし、副作用として代償性発汗(手術で抑えた部位以外、例えば背中や腹部などで汗の量が増える現象)があります。この副作用は完全に防ぐことが難しく、一部の患者には深刻な症状を引き起こすことがあります。保険適応の治療ですが入院が必要なため、当院では関連病院に紹介しています。

■皮弁法・剪除法(腋臭症)

局所麻酔後、ワキをシワに沿って3~5cm切開して腋臭症(ワキガ)の原因であるアポクリン汗腺を切除します。直接アポクリン汗腺を確認しながら除去していくので腋臭症の治療法としては最も効果的です。術後の傷跡やひきつれのリスクがあります。保険適応の治療です。当院では関連病院に紹介しています。

参考になる外部サイト

■ワキ汗治療ナビ

■気になるワキ汗サイト

■脇汗スッキリプロジェクト

■みんなの手の汗サイト