ニキビ治療とアゼライン酸|服部皮膚科アレルギー科|岡山市北区清心町の皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科 ニキビ治療とアゼライン酸|服部皮膚科アレルギー科|岡山市北区清心町の皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科

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ニキビ治療とアゼライン酸

さて、前回の記事ではアゼライン酸がどういう成分なのかについて大まかにお話しました。

今回はニキビ治療にアゼライン酸がどう役立つかについてお話しますね。

アゼライン酸は、小麦などにも含まれる天然由来の酸で、皮膚科でも使用されている外用成分です。特に、ニキビと毛穴の「根本原因」に働きかけるという点で注目を集めています。

1.皮脂の”出すぎ”を抑える

まず、ニキビや毛穴の目立ちは「皮脂が多すぎる」ことが一因です。

アゼライン酸には皮脂腺の活動を整える効果があり、皮脂の分泌量を穏やかに減らしてくれます。

たとえるなら、“油を出しすぎてる蛇口”をちょうどいい水量に調整してくれるようなイメージです。


2.毛穴のつまりを防ぐ

皮脂と一緒に古い角質が毛穴に詰まると、酸化して黒ずみ(角栓)になったり、ニキビの元(コメド)になります。


アゼライン酸は、この角質のつまりをほどいて排出を促す働きもあります。化粧品でいう「角質ケア」以上に、医学的に毛穴の通り道を整えてくれる存在なのです。

3.ニキビ菌を退治する

ニキビの炎症は、アクネ菌という常在菌が増殖してしまうことでも起こります。

アゼライン酸は、アクネ菌に対して自然な抗菌作用を持ち、耐性菌のリスクなく安全に菌の増殖を防ぎます。

4.炎症をおさえて赤みを引かせる

赤く腫れたニキビは、肌の中で炎症が起きている証拠。

アゼライン酸には、免疫反応を適切に静めてくれる抗炎症作用があり、ヒリヒリや赤みをやわらげてくれます。

肌の中で暴走しかけた炎を「落ち着いて」と鎮めてくれるような働きです。

 他の薬との違いは?

日本ではニキビ治療薬として、**ベピオ(過酸化ベンゾイル)、ディフェリン(アダパレン)、抗生物質の外用剤(ダラシンTゲルやゼビアックス)**が広く使われています。

アゼライン酸は、それらとどう違うのでしょうか?

まず、それぞれの塗り薬の特徴についておさらいしましょう。(飲み薬など含めた保険診療全体についてはコチラを御覧ください)

過酸化ベンゾイル(ベピオ・デュアックなど)

主な作用は抗菌作用・角質剥離作用です。

即効性がありますが、刺激感や乾燥が強めです。まれですが、激しい接触アレルギーを起こします。

また、衣服につくと衣服の色が抜けます。

妊娠授乳中は非推奨となっています。

アダパレン(ディフェリン・アダパレンゲル)

主な作用は角質正常化です。毛穴のつまりを改善する効果が高いけれど、過酸化ベンゾイルより効き目が遅く出ます。

皮膚が赤くなったりカサカサしやすい点も同様です。

また妊娠授乳中の方は使えません。

抗生物質外用剤

クリンダマイシンゲル・ゼビアックス・アクアチム・ナジフロキサシンクリームなどです。

ニキビ菌に直接働きかけます。抗菌作用は強いのですが、炎症が起こっているときは、抗菌作用だけではおさまりません。

他の塗り薬と併用して使う薬です。

エピデュオゲル(過酸化ベンゾイル+アダパレン)

2つの成分を足し合わせた作用があるので、最強の塗り薬です。

とても効果が高いのですが、刺激感や赤みの強さもかなり激しく出ます。

当院では試した方の半分程度は続けられないので、他の薬を使っても刺激を殆ど感じないような方だけおすすめしています。

アゼライン酸

アゼライン酸クリームには抗炎症、抗菌、皮脂抑制、美白などの様々な作用があります。

過酸化ベンゾイルやアダパレンに比べると作用がマイルドなので、即効性には劣ります。また、日本では保険適応外なので自費診療になります。

ただし妊娠授乳中の方でも使え、複合的な効果で幅広い症状に効果が認められます。

 アゼライン酸がおすすめの方は?

過酸化ベンゾイルやアダパレンは非常に優れた効果があり、アゼライン酸と同様に世界でも標準治療として使われています。

過酸化ベンゾイルやアダパレンが問題なく使える方はそちらを優先して使うとよいでしょう。

特に膿んだニキビが多発している方は、即効性がある過酸化ベンゾイルが第一選択になります。

当院でアゼライン酸をお勧めしているのは

・刺激が強くて他の薬が使えない
・使えるけど全体に赤ら顔になってしまう
・妊娠授乳中
・膿んだニキビや毛穴づまりはないけれど皮脂分泌が多い
・毛穴が開いて化粧崩れが多い
・ニキビ跡の赤みや色素沈着がきになる

といった患者さんです。

 最後に

ニキビ治療でのアゼライン酸の役割、イメージできましたでしょうか?

炎症が起こっているニキビは保険診療のニキビ治療が最も効果的です。

アゼライン酸はどうしても保険診療のニキビ治療ができない方や、炎症がおさまった後に皮膚の状態をよりきれいにするためにはとても効果的です。

当院ではアゼライン酸だけでなく、その他のニキビ跡治療にも積極的に取り組んでいます。詳しくはこちらを御覧ください。