今回から数回に分けて、IPL(光治療器)についてお話していきます。当院では
ノーリスという「次世代型IPL」を使った治療をしています。
でもそもそも光を当てると美肌につながるって不思議ですよね。またノーリスがなんで「次世代型」なのかもわかりませんよね。
それを知るために、そもそも「なんで光で肌が綺麗になるの?」というお話からしていきます。
光と波長の関係って?
私たちが目で見る「光」は、電磁波(でんじは)というエネルギーの一種です。
電磁波は、波のようなもので、大波から小波まであり、波の大きさによって働きが違います。
長い波は電波として利用され、短い波はレントゲンなどの放射線として利用されます。でも、電波もレントゲンも見えませんよね?
それは「人間にちょうどいい大きさの波」しか私達が見られないからです。
たとえば津波は大きすぎて、海全体が盛り上がって見えますから、波には見えないですね。
逆に水の表面がごくわずかに風で波になっていても、人間には平らにしか見えません。
私達が「波だ!」と見ているのは、様々な大きさの電磁波の中で、たまたま人間の目にちょうどいいサイズの電磁波だけです。そして、それを「光」と読んでいます。
光治療器はこの「光」と呼ばれる電磁波を利用して治療を行います。
なぜ光が肌をきれいにするの?
光治療器は「様々な大きさの波の中でちょうど人間に見える波長の電磁波」を使って皮膚を治療する機械です。
では、どうして光をあてると皮膚がきれいになるのでしょう?
「光」は人間の目に見える大きさの「波」ですが、海に行くと大きな波から小さな波までありますよね。
それと同様に光にもいろいろな大きさの波があります。
そして、波の大きさによって得意分野があるのです。イメージをつかむために水に例えてみましょう。
0度以下なら氷だからかき氷に最適。5度くらいならキンキンに冷えて真夏に最適。39度くらいなら暖かくてお風呂に最適。100度くらいならグラグラ煮えてカップ麺に最適。それを超えると蒸気になるのでスチームアイロンに最適ですね。
水と同じような感じで、波の大きさが変わると光も得意分野が変わるということです。
そして、波の大きさが
500~600nm(ナノメートル)というサイズの光は、
メラニン(黒)や
ヘモグロビン(赤)に。
1000nmより長いサイズの波は
水に吸収されやすいという得意分野をもっています。
これが「光がシミや赤み、美肌治療に役立つ」作用に大きく関係してくるのです。
続きはまた次回!
(日本皮膚科学会皮膚科専門医 服部浩明)