ミズイボはウイルスによって起こる病気です。小学生以下に多い病気で、子供同士の直接の接触や、モノ(タオルやビート板など)を介して他の人にもうつります。
裸で触れ合うことが多いプールを習っている子供で多い傾向がありますが、家の風呂などで兄弟同士でうつったりすることも多い病気です。
取るのがいいの?取らないのがいいの?
病院によって「ほっておいてもいいよ」と言われたり「取った方がいいよ」と言われたりして混乱されることが多いと思います。
放置しても自然にいつかは治るのですが、「いつか」がいつになるのかが子供によって違います。「痛いのはかわいそうだし、いつかは治る」と様子を見ていたらあまりに増えすぎてしまうことも多く、放っておけなくなって取らないといけない時にかえって子供が大変なので、逆にかわいそうな時があります。
また、ミズイボは痒いのでミズイボのまわりを引っ掻いて湿疹になっている時が多く、皮膚の状態が悪い時に取ってしまうと逆に増えてしまうこともあり、皮膚のコンディションを整えてから取る必要があります。そういった皮膚の状態や増え方を診て、当院では早めに取った方がいいか経過観察するかをケースバイケースで判断しています。
取る場合にはピンセットで取るのが一番早いのですが、痛い(麻酔のシールの保険適応が認められています)ので、塗り薬の治療(硝酸銀)をすることもあります。ただし、塗り薬では非常に治りが悪いので、結局ピンセットで取ることが多くなります。
当院では少し大きめのミズイボが10個を超えたらとったほうがいいですとアドバイスをしています。子供では殆どの場合麻酔のシールを使用しています。
幼稚園や小学校でのプール対応
うつる病気ですので、多くの児童生徒の肌が直接ふれあうプールに入っても良いかどうかは意見が分かれる所です。
日本臨床皮膚科医会・日本皮膚科学会・日本小児皮膚科学会では統一見解として「プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう 」と表明しています。
実際に診療していると、プールに入れてもらえないので、明らかに治療の必要が無い小さいミズイボや除去することでトビヒになりかねない状態のミズイボをどうしても治療して欲しいと来院される患者さんがおられます。もしもどうしても治療しないとプールに入れないと言われた場合はコチラから上記皮膚科3学会統一見解をダウンロードできますので、施設の方と相談してみましょう。