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ケアシスS(3)エレクトロポレーション

今日でケアシスS(エレクトロポレーション)の特集も最後です。

 

最終回の今日は、たくさんあるエレクトロポレーションの治療機器の中で、ケアシスSだけが持っている「65℃もの温度差」という特徴についてもお話していきます。

 

角層のバリアと美容成分の浸透

 

前回までで、角層は分子量500ダルトンというサイズを超える物質は通しにくいというお話をしてきました。

 

つまり、ヒアルロン酸や成長因子など、皮膚の中に入って活躍してほしい美容成分を皮膚に塗ったりパックするだけでは皮膚の中に入れないわけですね。

 

せっかくの高い美容成分も皮膚の中に入れなければ活躍できません。そこで、角層に短時間だけ美容成分が皮膚の中へ入り込むための隙間を作るのがケアシスS(エレクトロポレーション)のポイントでした。

 

ドラッグデリバリーとは?

 

ここでちょっと真面目な話ですが、このエレクトロポレーションの技術は美容分野で注目されているだけではありません。「ドラッグデリバリー」から見てとても有効な方法と捉えられているのです。

 

「デリバリー」という言葉は、宅配などで有名になりましたね。何かを配達するという意味です。

 

「ドラッグデリバリー」とは「薬を必要な場所に届ける」という意味です。

 

どんなに高性能の消防車でも火事の現場にたどり着く道がなければ活躍できませんね。

 

それと同じように美容成分も薬物も働ける場所にたどり着けなければどんなに効果的でも実力を発揮できません。

体の中に有効な成分を入れるのがエレクトロポレーションの技術です。それを活かして、ワクチンをはじめとする「痛い注射」をエレクトロポレーションに置き換えようという研究が始まっています。

 

エレクトロポレーションは「有効な成分を必要な場所に届ける優れたドラッグデリバリー」を実現するための一つの方法として注目されているのです。

 

ケアシスSの特徴

 

そんなエレクトロポレーション技術に加えて、ケアシスSではさらに「65℃もの強力な温度変化」を作り出せるという大きなメリットがあります。

 
温度 効果
ホット:最高 45 ℃ 毛穴周囲の筋線維をゆるめ血流を増やし、通り道を広げる
クール:最低 −20 ℃ 炎症と血流を抑えて“フタ”をし、薬剤を長時間キープ
 

この温度操作を電気導入に同時に行い、導入効率と鎮静を同時に高めます。

 

大きな電流が流れていても痛みは“ピリッとする程度”で施術直後からメイク可能です。

 

そして他の施術(ノーリスエコツーダーマペン)など、皮膚表面にほてりや炎症を起こしやすい施術と併用すれば、鎮静効果と術後の炎症を抑える効果が同時に働くので、まさに一石二鳥以上の効果があるのです。

 

注意点

 

そんな多くのメリットがあるケアシスSですが、注意点もあります。

 
    • 妊娠中・授乳中
 
    • 心臓ペースメーカーや除細動器をご使用の方
 
  • 体内に広範囲の金属プレートがある方
 

体内で電流が予期せぬ経路を取るリスクが有るため、基本的には施術が受けられません。

 

まとめ

 
    • 500 ダルトンの壁を超えるには“一瞬開いてすぐ閉じる”エレクトロポレーションが最適。
 
    • ケアシス Sは 45 ℃↔-20 ℃の温冷制御で導入効率と鎮静力をブースト。
 
    • 痛み・ダウンタイムは最小。ただしペースメーカー等の禁忌を必ず遵守。
 
  • 今後はワクチンや高分子薬の経皮投与へ――“針なし医療”を切り拓く技術です。
 

お肌の状態やご希望の美容成分は人それぞれですが、ケアシスS(エレクトロポレーション)はダウンタイムもなく、安全性が高い「とても始めやすい」施術です。気になる方はカウンセリングでお気軽にご相談ください。

 

日本皮膚科学会専門医 服部浩明