花粉による皮膚症状について(その2)|服部皮膚科アレルギー科|岡山市北区清心町の皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科 花粉による皮膚症状について(その2)|服部皮膚科アレルギー科|岡山市北区清心町の皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科

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花粉による皮膚症状について(その2)

前回は花粉による皮膚症状の特徴や、それぞれの時期に多い花粉などについてお話しました。

今回は、今の花粉症時期のスキンケアや生活習慣のポイントについてお話していきます。

化粧水がしみ始めたら要注意!

スキンケアの前に知っておいていただきたい大切なポイントがあります。

それは「化粧水がしみ始めたら、スキンケアで頑張りすぎずに早めに皮膚科を受診する」ことです。これは、皮膚の仕組みに関係した大切なポイントですので詳しくお話しますね。

化粧水などのスキンケアは「悪くならないための予防ケア」であって、悪くなった状態を治してくれるわけではありません。

そして化粧水がしみ始めたら、それは皮膚のバリア機能が壊れているサインです。その状態で無理にスキンケアを続けると、逆にそれが刺激になって炎症がひどくなってしまうことがあります。

もし化粧水がしみ始めたらもうスキンケアの出番ではなく、お薬の出番です。早めに皮膚科を受診してくださいね。

スキンケアの工夫

スキンケアで大切なのは「悪くなる要素を減らす」ことです。

まず外出から帰ったら花粉が付着した肌を放置しないように、早めに洗顔して花粉を洗い流します。ただしゴシゴシ洗いすぎると肌のバリアを傷つけるため、マイルドな洗浄剤を使うのがポイントです。特に男性はゴシゴシ洗ってしまう方が多いので要注意です。泡で優しく洗います。

汚れを落とした後は日頃自分が使っている保湿剤を使って、皮膚のバリア機能を補強しましょう。特にこの時期には空気が乾燥しているので、バリア機能を保つために皮膚に水分をしっかり与えてあげましょう。

この時期に気をつけたいのがピーリング作用があるスキンケア…たとえばピーリングソープやローション、レチノイドを使ったケアです。これらのスキンケアは乾燥しやすいので、花粉皮膚炎を起こしやすくなります。

また、ニキビ治療で使う過酸化ベンゾイル、アダパレンなどのお薬も皮膚の乾燥を招きやすい成分です。日頃問題なく使えていても乾燥を感じたら一時的にお休みするなど、慎重に使うようにしてください。(ニキビ治療についてはコチラを御覧ください)

意外なポイントが「髪を上げること」です。髪の毛にもたくさん花粉がついています。そして髪の毛がかかっているところは皮膚から見れば「硬いブラシでこすられている」ようなものです。花粉がついたブラシでこすられると皮膚のバリアが壊れてしまいます。なるべく髪が顔や首にかからないようにしましょう。

衣服の注意点

なるべく花粉がくっつかないように、ウールのように花粉が付きやすい素材は避け、表面が滑らかな生地の上着を選びましょう。

マスクやメガネなど、顔の皮膚表面に花粉が接触しない工夫も重要です。

髪はまとめて帽子を被っている方が花粉の接触を防げます。

家に花粉を持ち込まないように玄関先で服を叩いたり、ブラシをかけたり、コロコロローラーで花粉を取りましょう。

家に入ったら感染症予防も兼ねて手洗い・うがい・洗顔などで表面の花粉を流します。シャワーが浴びられればなお良いですね。

花粉予報を見て花粉が多い日は外に洗濯を干さないようにしたり、換気がしづらい場合には空気清浄機を使ってもよいでしょう。

食生活・ストレスの管理

アレルギー疾患は、食事や生活リズムとも深い関係があります。バランスの良い食生活と睡眠は体調管理の基本です。

適度な運動も大切なので、外での運動がしづらい花粉症時期には室内でできるヨガ・ピラティスや、ジム・水泳での適度な運動もおすすめです。

体調が整うと自然とストレス改善にも繋がります。

また腸内環境を整えることは免疫機能の改善に有効です。人間の腸内には何兆と言われる腸内細菌が住んでおり、免疫に大きな影響を与えています。

ヨーグルトなど乳酸菌を含む発酵食品や食物繊維の多い食品を摂ることで腸内環境が良好になると、免疫のバランスが整いやすくなります。

ビタミン類も積極的に摂りたい栄養素です。例えばビタミンAは皮膚や粘膜の保護、ビタミンB群は肌の代謝や修復、ビタミンEは抗酸化作用で免疫調節に関与します。野菜や果物、良質なタンパク質を含む食事でこれらの栄養を補給しましょう。

次回は病院でできる治療についてお話していきます。