
基本ケアをマスターしたら、次のステップへ
洗顔・保湿・UV対策という「基本の3ステップ」を続けていると、肌の調子が良くなってきたと感じていませんか? 「でも、できてしまったシミは消えないし、毛穴の開きも気になる…」 「もう少し積極的に肌を改善したい」と思い始めた方も多いのではないでしょうか。実は、そんなあなたは美肌への「次のステージ」に立っています。今回は、基本ケアだけでは解決しにくい肌悩みに対して、医療機関でできる「一歩進んだスキンケア」について解説します。 「美容医療なんて女性がするもの」「そんな大げさなことは…」と思った方、ちょっと待ってください。最近は多くの男性が、日常のスキンケアの延長として気軽に美容治療を始めています。特に皮膚科専門医がいる医療機関なら、安心して相談できます。1. なぜ「医療機関でのケア」なのか?
市販品の限界を理解しよう
基本ケアは肌の健康を「維持」し、トラブルを「予防」するためのものです。でも、すでにできてしまったシミや深い毛穴、頑固な肌トラブルに対しては、市販品だけでは限界があります。なぜなら:- 医薬品と化粧品の違い:市販の化粧品に配合できる成分の濃度や種類は法律で制限されている
- 浸透の壁:いくら良い成分でも、肌の奥まで届かなければ効果は限定的
- 個人差への対応:一人ひとりの肌質や悩みに合わせた調整ができない
男性こそ医療機関でのケアが向いている理由
- 効率重視:エステのように何度も通うより、効果的な治療を短期間で
- 理論的アプローチ:「なぜ効くのか」を医学的に説明できる
- シンプルな選択:医師が診断して最適な治療を提案
2. まずはここから!医療用スキンケア製品
STEP1:ビタミンC誘導体 ― シミ・くすみ対策の第一歩
普通のビタミンC(アスコルビン酸)は光や熱に不安定で浸透しにくく刺激も強め。そこで開発されたのが「ビタミンC誘導体」。ビタミンCに特殊な分子を付与し、安定性と浸透性を高めた改良版です。ビタミンC誘導体の4つの美肌効果
- メラニン生成をブロック(シミ予防)
- できてしまったメラニンを無色化(既存のシミを薄く)
- コラーゲン生成を促進(ハリ・弾力アップ)
- 抗酸化作用(老化予防)
効果的な使い方のコツ
適切な洗顔と直後の保湿はスキンケアの鉄則。簡単ケアで最大限の効果を出すには、高機能の保湿物質を使いローション一つでもしっかり保湿できる処方が理想です。 当院では高機能保湿物質に10%のビタミンC誘導体を配合したローションを院内調合し、「続けやすさ」と「効果」を両立しています(当院患者さんのみ使用できます)。STEP2:低濃度トレチノイン ― 肌の生まれ変わりを促進
トレチノインはビタミンA誘導体の医薬品。非常に効果が高い反面、用法を誤ると肌トラブルの原因になり得るため、必ず医師の指導下で使用します。トレチノインの効果
- ターンオーバーの正常化(促進)
- メラニンの排出(シミ改善)
- 毛穴改善(角栓排出・引き締め)
- 小じわ改善(コラーゲン産生促進)
低濃度から始める理由と継続の重要性
「濃い方が効くのでは?」と思うかもしれませんが、最重要なのは長期的に続けること。無理なく継続する方が結果につながります。当院では長期使用に適した濃度のジェルを調合しています(当院患者さん限定)。使用時の注意点
- 開始時に赤みや皮むけが出ることがある(多くは正常反応)
- 医師の指示通りに使用する
- 使用中は紫外線対策を徹底する
3. 効果を実感!医療機関での施術
エレクトロポレーション ― 有効成分を肌の奥まで届ける
特殊な電気パルスで一時的に細胞間に通り道を作り、有効成分を肌深部へ浸透させる針なし施術。痛みは最小限でダウンタイムもほぼありません。こんな方におすすめ
- 一歩進んだケアを試したい
- ハリ・潤いが欲しい
- ダウンタイムのない施術を希望
施術の流れ
- 洗顔
- 肌質に合わせた美容液を塗布
- 専用機器で約20〜30分の施術
- 仕上げの保湿
ケミカルピーリング ― 古い角質を除去して美肌へ
医療機関でのピーリングは市販品とは別物。サリチル酸などを肌質に応じて用い、施術前後のケアまで医師管理のもと安全性を確保します。期待できる効果
- ニキビ・ニキビ跡の改善
- 毛穴の引き締め
- くすみの改善
- 肌のキメの向上
IPL(光治療) ― 複数の肌悩みに同時アプローチ
複数波長の光を同時照射し、シミ・そばかす、赤ら顔、ハリ・キメ、毛穴の開きへ幅広く対応。光エネルギーがメラニンや赤血球に吸収され熱へ変換され、メラニン破壊・血管収縮・コラーゲン生成促進が期待できます。IPLが得意とする悩み
- シミ・そばかす
- 赤ら顔・毛細血管拡張
- 肌のハリ・キメの改善
- 毛穴の開き
施術の特徴
- ダウンタイムが少ない
- 施術時間は約20〜30分
- 月1回、3〜5回程度で効果を実感
4. 頑固なシミにはレーザー治療
ピンポイントで確実に効果を出す
「IPLを何回かやったけど、この濃いシミだけは消えない…」という場合はレーザーの出番。気になる部位にピンポイントで高い効果が得られ、1つのシミなら数秒で終了することもあります。治療後の経過
- 照射直後:シミが白く変化
- 数日後:かさぶた化
- 約1週間:自然に剥がれる
- その後:きれいな肌が現れる
注意点
- 治療後は一時的にシミが濃く見えることがある(長い場合は約1年)
- かさぶたは無理に剥がさない
- 紫外線対策を徹底する
5. 美容医療への第一歩を踏み出すために
男性が通いやすい医療機関の選び方
- 皮膚科専門医がいること(受診前に公式情報で確認)
- 保険診療も行っている(出入りしやすい雰囲気)
- 男性患者が多い(最近は一般的)
初回相談で聞くべきこと
- 自分の肌悩みに最適な治療法
- 期待できる効果と必要回数
- 施術のリスクと注意点
- トータル費用
まとめ:次のステージへの招待状
「美容医療」と聞くと大げさに感じるかもしれませんが、日常のスキンケアの延長線上にあります。基本ケア(洗顔・保湿・UV)を土台に、次のステージとして以下を組み合わせましょう。- 医療用スキンケア製品で、より積極的なケア
- エレクトロポレーションで、有効成分を確実に届ける
- ケミカルピーリングで、肌の生まれ変わりを促進
- IPLで、複数の悩みを同時に改善
- レーザーで、頑固なシミをピンポイントに撃退
岡山市北区の皮膚科・美容皮膚科 服部皮膚科アレルギー科
日本皮膚科学会皮膚科専門医 服部浩明